2017年アニゴジの旅『GODZILLA 怪獣惑星』【ネタバレ】-Web-tonbori堂アネックス

2017年アニゴジの旅『GODZILLA 怪獣惑星』【ネタバレ】

2017年12月5日火曜日

anime GODZILLA movie SF

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 アニメのゴジラ、アニゴジ。シン・ゴジラの公開後半ば電撃的にアナウンスされたのが『GODZILLA 怪獣惑星』です。脚本に『魔法少女まどか☆マギカ』『ThunderboltFantasy東離劍遊紀』『楽園追放』など数々の作品を手掛けている虚淵玄。監督は『シドニアの騎士』の静野孔文と瀬下寛之、アニメ制作には『シドニアの騎士』の3DCG会社ポリゴンピクチュアズという強力な布陣です。


動画はyoutubeより|『GODOZILLA怪獣惑星』予告編|TOHO animation チャンネル

 『シドニアの騎士』は漫画を追っていないものの話題になっていたのでTVアニメは1期と2期の『第九惑星戦役』を鑑賞しました。CGアニメにありがちな不自然さも、ややもやもやすると感じますが精緻な映像は、ストーリーと共によく出来ているので興味深く鑑賞をしていたものです。そんなわけで『シドニアの騎士』スタッフと虚淵玄というコラボレーションでゴジラと言えばこれは面白くなるんじゃないかと思って観に行ったわけですが…

 うん、これは3部作の初編、発端なので美味しいところお預けですねという感じでしたね。具体的に言うと、大掛かりなアクションはあったものの出し惜しみしているかのようなもっさりとしたテンポでクライマックスを迎えた感じです。ビジュアルこそは、さすがポリゴンピクチュアズって感じだし、キャラクターなど面白い要素はあったのですが…

『GODZILLA 怪獣惑星』

ストーリー

 20世紀の終わりになり地球上の各地で怪獣が出現。怪獣は都市部を破壊し人々を蹂躙しつくした。なんとか撃退をしてもさらに強力な怪獣が出現し疲弊した人々についに最強の怪獣が現れた。それは『ゴジラ』と呼ばれ瞬く間に世界を焼き尽くしていく。地球を監視していた放浪の異星人もそれぞれの目的で手を貸し、ゴジラを撃退しようと試みたが、人間に抗う術は無かった。万策尽きた人類は太陽系脱出を決定。中央政府による人工知能の選別を受けた人類をくじら座タウ星eへ送り出すことを決定。


 恒星間移民宇宙船アラトラム号で11.9光年先の未開の宇宙へ乗り出した。20年の長い旅路の末到着したタウ星eは人類の生存に適さない星であった。事ここに至り乗員のストレスは高まり地球への帰還への機運が高まり、危険な超空間航法により地球への帰還が決定。しかし最大の障害になるのは人類を滅ぼしかけた怪獣、ゴジラの存在である。サカキ・ハルオは地球脱出時、眼前で両親をゴジラに殺され一人、復讐の牙を研いでいた。タウ星eへの移民への反対し、反乱行為を働いたかどで営倉に入れられていた彼に船内の人種間の思惑も絡んでいるとはいえ復讐の機会がやってきたのだ。彼の立案したゴジラ討伐計画が承認され攻撃のため、指揮官リーランド大佐率いる600人からなるゴジラ討伐隊とともにハルオは地球に降り立つ。


 地球では推定2万年の月日が流れ、ゴジラの遺伝形質をもった翼竜タイプの小型怪獣が飛び交い、植物までもがゴジラの遺伝情報をもっていた。まさにゴジラの世界となったこの地球でハルオたちは果たしてゴジラを倒し地球を取り戻せるのだろうか?

ゴジラへ復讐

 そういうキャラクターって実は平成シリーズになってからように思います。いや最初のゴジラでも大戸島の新吉も母と兄をゴジラに殺され、ゴジラに恨みを抱いたキャラクターでした。後に出てきた娘と息子がゴジラとかかわることになりますが、それよりは『ゴジラvsスペースゴジラ』に出てきたGフォースの結城少佐、ミレニアムシリーズの『ゴジラ対メガギラス』のGグラスパーの辻森桐子、『ゴジラ×メカゴジラ』の機龍隊の家城茜がゴジラに対して敵愾心を燃やしていたキャラクターでした。この3人の共通点は友人、または上司がゴジラの攻撃で亡くなった事にあります。


 ハルオのように両親が殺されてというと、どちらかといえば平成ガメラの『ガメラ3邪神(イリス)覚醒』が思い出されます。主人公の一人、比良坂綾奈はガメラとギャオスの攻撃で父と母を亡くしガメラに対する敵愾心を燃やしダークサイドに引き込まれていくという役でした。ハルオもかなり敵愾心を燃やして殲滅してやるという心は『進撃の巨人』のエレンっぽい感じもありますね。このハルオのゴジラへの復讐心が物語を引っ張るキーになっているわけですが、ゴジラの分析とかそれなりに、おおっって思ったりもするんですが割と行動が行き当たりばったりに見えちゃうんですよね。そこがマイナスポイントでした。

来訪者たち

 これはこの『GODZILLA 怪獣惑星』の面白いなと思った要素で、エクシフとビルサルトという2つの異星人種が怪獣に蹂躙されつつある地球に来訪し、協力するというもの。OPのハルオのモノローグでは純粋に地球人を救うのではなく、新たな故郷としての地球が蹂躙されていくのを食い止めるためという思惑も透けて見える呉越同舟のような関係としてあるようです。


 伝え聞いた話ではエクシフはX星人、ビルサルトはブラックホール第3惑星人が元になっているとか。エクシフは宗教をもって統治された種族で、ビルサルトは科学至上主義という特徴がもたらされているのも面白いと思いました。多分この種族の真の目的(地球をわが物にという簡単なものではなく)は2作目以降にあかされていくのでしょうが、今はまだ共闘関係にあります。

ソース|『GODZILLA』の注目点は主人公にあり?|Real Sound|リアルサウンド 映画部

そして第2部へ

 アバンタイトルでざっとした人類の置かれた立場の説明で触れられた対ゴジラ兵器の切り札ともいうべきメカゴジラはビルサルドの手によるものですが、これが本格的に起動するのはソース元の記事でも触れられているように第2部以降でしょう。そこも含めてちょっと惜しいんですよね。短い時間ではあるしクライマックスへの盛り上げもあるにはあるんですが結局それぞれの場面でサプライズが無い。殆ど想像できる範囲内で収まってしまっている。これは3部作なため2部以降へのサプライスが意図的に隠されているからだと思いますが、どうにもこれええんかなと。


 元々この企画、ネットフリックスオリジナル作品として東宝アニメーションが配信用に作っていたものでそうなれば凄くこの展開納得できるんですが…映画としては若干苦しいものがあります。シンゴジラで暖まっているシーンを維持したいという気持ちは分かるのですがさすがにどうかなと。クオリティが高いだけにちょっともったいないなと思いました。正直この1部を以ってこの作品を断じるには難しい作品ではあるのですがこの1部ではtonbori堂正直、これはすげえなとはならなかったのは事実です。それでもこの後の展開はちょっと気になりますね。ということでこのシリーズ引き続き注視したいと思います。

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